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広島県

広島県福山市の魅力と想いが詰まった革ブランド『福山レザー』を作る株式会社サード。
福山市の歴史、伝統産業、美しい自然を生かして商品開発を行う職人スタジオ「サード」は、スタジオ自体を観光スポットの1つとして参入させ、福山市の知名度アップを狙う。仕掛け人である、革職人歴30年の三島進氏に思いを伺う。

PROTAGONIST

三島 進代表取締役

三島氏は、お客様とのコミュニケーションを大切にしたいという思いから、父親の会社から独立して自身の会社サードを立ち上げた。そこでは、財布やカバン、名刺入れ、ベルト、キーケースなどの革小物というジャンルで革製品の製造と販売を行っている。

物があふれた時代だからこそ”自分だけの一品”を作ることに価値を置き、客からの要望に対して”できないとは言わない”ことを信条としている。

自社を新しい観光スポットへ

ある日のこと、書店を通りかかった際に有名な観光本が目に入った。計らずとも手に取り中を覗くと、そこに福山市の紹介ページはなかったのだ。何度も読み返したが見つけることができず、悔しさを隠しきれなかった。

現状を目の当たりにした三島氏は、思いが溢れ出す。

「福山市の魅力をもっと多くの人に知ってもらいたい」
「福山市を観光地化し、サードを観光スポットにしたい」

思いは目標に変わり、福山市を観光地にするために特産品を作ることを思いつく。

福山市の伝統的な産業である、文様がかすれて見えることが特徴的な紺の織物、備後絣(びんごがすり)とコラボできないかと考え、藍染めをしている友人に相談したところ、共感を得ることができたのだ。そして共同開発して生まれたのが『福山レザー』だ。

早速、新商品を店頭に並べ、自社サイトから購入できるようネット通販でも展開した。

三島氏は、「東京にお店を出すのではなく、東京からわざわざきたくなるようなお店になるよう、コンテンツや見せ方も工夫したい」と話す。

青いバラの花言葉とジャパンブルー

特産品『福山レザー』の誕生と共に、商品開発も行うこととなった。

藍染めの藍色は、紺より少し緑色がかかった青色で、別名ジャパンブルーと呼ばれる色であることから、海外に向けてアピールできる可能性が生まれ、さらには日本中どこの県でも活用できることに気がついた。

藍染めを生かすことで、企業の周年記念品や各種会合の記念品、政党党員大会の記念品など、福山レザーは様々な展開が進んだ。

そして、福山市民に最も愛されているのがバラの花。赤いバラの花言葉は”愛”。繊細で荒廃した街に潤いを与え、人々の心に安らぎを取り戻したいという思いから市民がバラの苗を千本植えたことが始まりだ。

一方、青いバラの花言葉は”不可能”。品種改良をしても生み出すことが難しいとされていたが、サントリーホールディングスの研究者がパンジーの青色色素を組み込むことで”青いバラ”を生み出すことに成功したことから、花言葉が”不可能”から”奇跡”へと塗り替えられた。ここに注目した三島氏は、不可能だと思っていた福山市を観光地にするという奇跡を、青いバラに思いを込めて青いバラのキーホルダー『シャルマン』を商品化した。

さらに、服や菓子に関連した企業からもオファーを受け、今後の発展も期待できる。商品を手に取った客は、一つとして同じものはなく、それぞれに個性があるところに魅力を感じるのだろうか。

革職人を憧れの職種にしたい

日本のレザー業界はハイブランド、ローブランドが共に強すぎることが理由で、斜陽産業だと言われている。どちらも海外から入ってきており、素材、技術、デザイン面において優れていることから一定のファンを確保している。日本の革職人がそこそこ良い物を作っても、他社との差別化ができず、価格競争が起こる状況に追いやられているのだ。国産ブランドとして革製品を作ってもだんだん売れなくなり、業界自体も高齢化し、後継者が育たないことから業界自体が縮小しつつあるのが現状だ。

ものづくり業界は若者の”なりたい職業ではない”ということを課題に挙げている。しかし、ものづくりの魅力を語る三島氏は、すごく輝いていた。

「満足度が高く、達成感のある仕事がものづくり。自分が満足いくまで、自分が一生懸命やればやるほど良い物ができる。その上で、お客様に渡して喜んでいただける仕事は他にはないと思っている。」と語る。

三島氏は、若者が参入しやすいような雰囲気作りをして、楽しく仕事をしている職人を増やしたい、革職人を小学生の憧れの職業にしたいと意気込んでいる。三島氏は今後も”職人”のブランディングと展開に一層力を入れていくだろう。

福山に行った際には、ぜひ『福山レザー』の商品を手に取ってみてほしい。

福山を観光地にしたいという三島氏の想いがあなたにも伝わるだろう。

INFORMATION

株式会社サード

「出来ないとは言わない」「必ず感動させてみせる」「常にカッコよく」
というモットーのもとお客様ひとりひとりと向き合う、革職人たちのお店です。
素材へとことんこだわり、この製品を持つことでどんな風に見られるのか?を考え、
デザインだけではなく”本当に使いやすい革製品”を追求して制作することを重ねてきました。
お客様の想いを汲み取るのが職人であるからこそ想いのこもった製品が誕生します。
私たちはお客様の想いと革を繋ぐ「レザーコンシェルジュ」なのです。
革の楽しさを伝え、ライフスタイルに新たな価値を提供する。
それが、サードの使命です。

創立
2011
従業員数
5
ホームページ
https://leatherstudiothird.com/
Writer:
GOOD JOB STORY 編集部

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